2016年2月7日日曜日

私が出会った殺人者たち

私が出会った殺人者たち 佐木 隆三
読了

殺人犯を主要テーマとして多数のルポ、小説のある筆者渾身の作。
裁判や収監中の面会などでの殺人者たちの様子や経緯を淡々と記している。
非常に多数の殺人犯が出てくるが、中には松本智津夫(麻原彰晃)や福田和子、林真須美などといった有名な殺人犯の様子も出てくる。理性の効いた抑えのある文体で、犯人たちとも一定の距離をとって付き合いをしていた様子が伺えるが、その中でも林真須美などには悪い印象を持ったようで、厳しいことが書いてあるのが面白かった。

一部の殺人犯とは収監中の面会のみではなく、収監前から取材を通した交流があったり、殺人犯自らの手記の出版に絡んだ交流があったりして非常に興味深かった。「記者」の取材方法も様々だと思うが、佐木さんの取材方法はかなり大胆であり、驚かされることも多かった。
後に逮捕される犯人を取材して交流が深まり、その犯人が運転するトラックの助手席に乗らせてもらって長距離を移動したり、、、怖くないのだろうか?
親好を深めたはずの犯人から最後は取材料と称して金銭を脅すような形で無心されたり、、、やっぱり殺人犯ともなるとクズだと思った。
手記をさっさと出版しないと死ぬと脅されたり、、、やっぱりクズだと思った。
この作者にしか書けない内容なのは間違いない。

内容は濃いが、事実を淡々と記載するタイプであり、読んでいて少し飽きるところがある。でも面白い本。

1 件のコメント:

  1. こんばんは。
    その本については私のブログでも触れています。

    やっぱり犯人どもは下衆ぞろい。佐木さんはよく接近しようとしましたよ。

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