2017年2月1日水曜日

双極Ⅱ型障害の治療での躁転リスク、睡眠薬と自殺リスク、自閉症児の両親のレストレスレッグ

アブストラクトしか読んでないです

Switch Rates During Acute Treatment for Bipolar II Depression With Lithium, Sertraline, or the Two Combined: A Randomized Double-Blind Comparison
http://ajp.psychiatryonline.org/doi/abs/10.1176/appi.ajp.2016.15040558?af=R
双極2型障害のうつ状態の患者さんに、リーマス、ジェイゾロフト、あるいはその両方を処方してみたという論文。双極性障害の人に抗うつ薬は禁忌に近く、出すと躁転するかrapid cycleになるという可能性が高くて医原性に難しい患者さんをつくってしまう。なのでリーマスを中心にしなければならないとよく言われる。
しかし、この論文では抗うつ薬、リーマス、あるいはそれらのコンビネーション治療でどれも躁転率に変わりがなかったという、感覚や常識に反する結果が出ている。rapid cycleについては検討されていないようなので、やはりrapid cycle化することは考えておかねばならいのではないだろうか。意外な結果だけど、やっぱり先ずはリーマスで治療をしていくことを今後も考えると思う


Hypnotic Medications and Suicide: Risk, Mechanisms, Mitigation, and the FDA
http://ajp.psychiatryonline.org/doi/abs/10.1176/appi.ajp.2016.16030336
ベンゾジアゼピンをはじめとした睡眠薬が自殺リスクをあげるというレビュー論文。以前から不眠は自殺リスクをあげるというのはよく言われていたが。
インクルードされた論文の中では適切に基礎の精神疾患の影響を除外して評価できた論文はなかったということが書いてある。睡眠薬が不眠を改善することによって不眠が原因の自殺リスクを結局下げるのか、睡眠薬の効果で結局総合の自殺リスクが上がるのかはよくわからんようだ。
この論文は本文を読まないと自分の処方行動を変化させるべきかどうかはよくわからないな、、、
ベンゾがパラソムニアを増やして、自殺関連行動を押し上げているのではという記載もある。そうするとそれはただの見かけの自殺関連リスクな訳で、あんまり気にしなくても良いような、、、

Symptoms of Restless Legs Syndrome in Biological Caregivers of Children with Autism Spectrum Disorders
http://www.aasmnet.org/jcsm/ViewAbstract.aspx?pid=30904
まず、「Biological Caregiver」という表現にびっくりした。ggrksしてもほとんどこの論文しか出てこない。これは「両親」ってことだよね??
自閉症スペクトラムの子供を持つ両親がレストレスレッグ症候群を持っていることが多いという論文。さらにレストレスレッグ症候群があると、よりメンタルが病んでいて、夜寝られていないとのこと。ま、当たり前。
abstract内ではどうも遺伝的なものじゃないか、なので自閉症スペクトラムの子達も逆にレストレスレッグ症候群を持っているのではないか、というようなことが書いてある。


なかなか自分の治療行動を直接的に変えてしまう論文はそう多くない