2017年1月21日土曜日

またちょっと勉強した。医学研究に対する製薬会社の影響。MSLTを受ける人にはdrug screeningを考慮すべき。

Sponsorship bias in the comparative efficacy of psychotherapy and pharmacotherapy for adult depression: meta-analysis
うつ病に関して、薬物療法と精神療法を比べた研究を集めてみたところ、製薬会社がスポンサーしている研究では、「slightly」に薬物療法が優っているという結果が出たというシステマティックレヴュー。
こういったスポンサーがいる研究ではいらぬバイアスがかかるという話題はよく出る話ではある。
しかし、研究はデザインする段階で出したい結果を想定してデザインすることだって多いし、その想定した結果が出やすいようなデザインをする傾向にあるのは当たり前だと思う。それはスポンサーされているかどうかとは微妙にずれた動機付けでバイアスがかかっているということだと思う。
なので、この結果が何を示しているかはよくわからない。お金を出しているから、その出し手に有利な結果が出ていると理解できるのか、それともそういった研究をしようと動機付けた主体が予想した結果が出ているのか、、、、
スポンサーの問題はスポンサーの存在を排除することで科学の純粋性を保つという方針よりは、反論を容易にしたり違う結果の論文を出しやすくすることで議論を深める方向の論文が増えることを目指す方針がいいと思うのだが。

Importance of Urinary Drug Screening in the Multiple Sleep Latency Test and Maintenance of Wakefulness Test
MSLT、MWT:日中の眠気を調べるテスト をやるには尿の中の薬物のチェックをした方がいいぜという論文
amphetamines アンフェタミン, barbiturates バルビツレート, benzodiazepines ベンゾジアゼピン, cannabinoids カナビス(大麻), cocaine コカイン, methadone メタドン(ヘロイン依存症の治療薬), opiates(オピオイド(モルヒネなど))が尿中に出てるかを、MSLTとかMWTとかをやる前にチェックするPSGの直後に調べたという。そしたら、16%の患者さんが陽性で出てしまった。。。
なので尿をチェックしましょうね、、、ということなのだろうが、、、
さすがはオーストラリアの論文。オージーはドラッグに寛容なのですね、、、、
日中の眠気がある人は薬剤の影響下にあるかもみたいなことが書いてあるけど、アンフェタミン(覚せい剤)やコカインは眠気が引きそうな気はするのだが、、、ま、いっか、、、
印象的ではあるけど、日本では役に立たない論文。ベンゾのことだけ調べれば良いのではなかろうか。