2011年1月29日土曜日

たくさん読んだ

虐殺器官 伊藤 計劃
まごうことなき名作
近未来にさらに強調されると思われる、価値<>無価値の平面化。秩序<>混沌の無分別化。そういったポストモダン的なディテールを陳腐でなく描いていく。
話ごとにテーマがきちんと進行していく。
そして、メインテーマのターゲット「ジョン・ポール」。彼が行っている事も、国家の趨勢が政府<>民衆の空気 の二項がないまぜになって進行していることを端的に表現して・・・
白<>黒でない灰色のラスト。
偉大な才能だと思った。


解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理 柴山 雅俊
このセンセイの言う解離がなにを指し示しているのか全くわからなかった。
はじめにDSMについて少し触れているが、どうもDSMがさしているものとは別物のようだ。
かといって、提示された症例を読んでも、このセンセイのいう解離性障害がひとつの塊として感じられない。
結果、症状の精神病理学的記載も統一感がなく理解できなかった。

かなり共感した。
メディアに出るようなセンセイは基本的に臨床的にはかなり異常で偏ったことをやっている、と勝手に思い込んでいたが、とてもセンスがある内容で、首肯できることばかりだった。
ただ、あまり患者をいじくらないタイプの精神科医にとってはあたりまえのことばかりだし、患者からしたら知ってもしようがない内容で、ニーズがあるのかwという疑問がw
100人の精神科医リストは余計だった

科学する麻雀 とつげき東北
まず、非常に確率論がなりたちやすい麻雀という世界でこのような本がいままでなかったことがむしろ驚き。
しかし、捨て牌読みなど、面白い結果が記載されている。結構びっくり。
うち手が全員これを極めると、ゲーム理論みたいに、わざとランダムにうったり、2回に一回変なうちかたしたりするスクリプトのほうが勝率が高くなったりしてw
おそらくはメンツが牌効率を高めるうちスジであることが暗黙の前提になっているはずだから