2017年3月20日月曜日

離婚/結婚とアルコール依存症、精神科薬オーバードーズでの死亡率、SSRI処方率の変化

http://ajp.psychiatryonline.org/doi/abs/10.1176/appi.ajp.2016.16050589?af=R
Divorce and the Onset of Alcohol Use Disorder: A Swedish Population-Based Longitudinal Cohort and Co-Relative Study
離婚するとアルコール依存症になるリスクが男女とも大体3.5倍位になるというスウェーデンの報告。寡婦(夫)でも同じかそれ以上のリスクになるという。
ま、そりゃそうだろうとも思うが、思った以上にインパクトが大きい。離婚したら独りになってだれも面倒見てくれないし、飲酒の注意もしてくれない。それだけじゃなくて時間を持て余すようになって酒に走ってしまうかもしれない。結婚している人は幸せを噛みしめるべきなのかもしれない。また、離婚→アルコール依存→経済的破滅→人生終了となっている人も多いのかもしれない。そのトリガーを引かないためにも夫婦仲は良くしておきたい。
http://ajp.psychiatryonline.org/doi/abs/10.1176/appi.ajp.2016.15111373?af=R
Effect of Marriage on Risk for Onset of Alcohol Use Disorder: A Longitudinal and Co-Relative Analysis in a Swedish National Sample
逆方向からの論文。結婚するとアルコール依存症の罹患リスクがすご~く下がる。リスク比は男で0.41、女で0.27!!!!大体1/3から1/4になる!!!!
逆に言うとモテない男は家で酒でも飲んでるしか無いという、、、

http://ajp.psychiatryonline.org/doi/abs/10.1176/appi.ajp.2016.16050523?af=R
Morbidity and Mortality Associated With Medications Used in the Treatment of Depression: An Analysis of Cases Reported to U.S. Poison Control Centers, 2000–2014
2000年から2014年の中毒センターからの情報をまとめた論文。薬をオーバードーズした際の死亡率を比較している。複数の薬を服用した症例は検討に加えず、単剤を大量に服用した症例を検討しているようだ。これによると当然三環系抗うつ薬は高い死亡率を示したが、Lithium, venlafaxine, bupropion, quetiapine, olanzapine, ziprasidone, valproic acid, carbamazepine, citalopram が高い死亡率と関係していた。
意外なのは第二世代と呼ばれるような新規の抗うつ薬、抗精神病薬でも高い死亡率と関係していたことで、比較的新しい抗うつ薬であるSSRIなどを使用していても大量服薬にはやはり注意が必要ということのようである。大量服薬リスクの高い患者さんに対しては薬の内容を見直すことも大事だと思うが、この結果では薬の内容を変える以外の対処が必要かもしれないと思った。

http://bjp.rcpsych.org/content/209/5/421
Initiation and duration of selective serotonin reuptake inhibitor prescribing over time: UK cohort study
日本のメディア等では、うつ病の増加とそれに対する安易な抗うつ薬の処方の報道がなされることがある。それはイギリスでも同様のようであり、この研究はSSRIの処方率の変化を研究している。それによると、イギリスでは2001年からSSRIの処方率は大きく変化がないようである。ただし、SSRIで治療を受けていた症例は長期に治療を受けていた可能性があるという。
日本でも同様の傾向があると考えられる。
少なくとも報道の効果を受けてSSRIの処方率は変化がないということは医者はそれほど報道には影響を受けていないということなのだろうか。それとも患者が報道に左右された受診行動を取っていないということなのだろうか。

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