2016年3月23日水曜日

レジデント初期研修用資料 医療とコミュニケーションについて

レジデント初期研修用資料 医療とコミュニケーションについて
読了

医療におけるコミュニケーションを舞台にしたマキャベリズム。(当然褒めている)
医療という世界ではどうしても理念が先行し、得てして理想論がはびこる傾向にある中で、高邁な精神や高い倫理観を有さなくても実行できる方策。イレギュラーな問題が頻出する医療という現場において、問題を下手に大きくしたりしないような方策。どうにもうまくいかない時に、それでも状況が完全にコントロール不能になってしまわないようにするための方策。
決して問題が起こらないようにする、とか、これを実行すれば患者さんが先生を好きになりますよ、というような内容ではない。ある理念があって、それを信じて実行すれば素晴らしい医療や医療における信頼関係が結べる、というような内容ではない。
究極的に患者さんと心と心の通じ合いができず、相手の考えていることがわからない中で医療を行わなければならない。そういう人間が信じられない状況でも活用できる方法論を述べた本。

実践的で「役に立つ」本であるが、その反面、読み終えた後に人間をどのレベルで信じられることが正しいのかという疑問がわき上がってしまう、そんな本。

0 件のコメント:

コメントを投稿