2016年3月21日月曜日

戦術と指揮―命令の与え方・集団の動かし方

戦術と指揮―命令の与え方・集団の動かし方
読了

面白い本だった。
これまでも筆者の本は読んだことがあったし、戦場における作戦行動についていくつかの知識はあった。この本はそういうった基礎的な知識はもちろん復習させてくれるが、それ以上に筆者が仮想的に設定した戦場でどのように指揮者として判断してくかという問題形式で後半は話が続いていって面白い。
正直、問題の作りや、状況の説明の文章が上手いとは言いがたく、よく状況がつかめない印象はあった。また、状況を十分理解しても筆者が正しいとした作戦方針が本当に正しいかは疑問に思うこともあった。
しかし、筆者も書いているように、戦場における指揮者とは常に疑心暗鬼で、敵方がどのような戦力を有していて、どのような展開をしており、どのような方針をとっているかは全くわからない。そのなかで、どのような判断を下していくかについては本当に答えがない。答えがない中でどうするかと考える中で、「積極的に、主導権を握ることを考える」という基本方針が正しいというのは、同様に先が見えない中で決断していかなければならない経営などの分野でも参考になる話だと思った。

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