2015年12月30日水曜日

水中毒に五苓散

統合失調症患者さんは時々「水中毒」になる
1日5l以上の水をグビグビ飲んで、血清Na値は120とかになっている
でも、たいていピンピンしていて、いつも蛇口の近くにコップをもってうろついている

一応、上記の状態は心因性多飲(psychogenic polydipsia)とよばれ、ひどい人で急性期の症状をきたすと水中毒と呼ばれる
けいれん、失禁、失禁、意識障害など水分過多による急性の症状をきたすと水中毒である

これが結構難儀で、多飲の治療法は明確なものはなく、水中毒を起こすようになると結局水を飲まないように拘束したり隔離したりしなければならないこともある。けいれんを起こすようになると最終的に死ぬこともあるので。
心因性多飲症の原因は不明である。多量に古いタイプの抗精神病薬を内服している統合失調症の人がなりやすいと言われるが、統合失調症の人は抗精神病薬内服しなくても多飲症になると言われることもあるし、やはり抗精神病薬が原因と言われることもある。
抗精神病薬の中ではジプレキサがマシということになっているが、自分の経験ではジプレキサに変えてもすごく良くなったという経験はなかった。EBM的にはクロザピンが1stチョイスだが、クロザピン投与は大変である。アセタゾラミドが効果があるという論文もあるが。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21242740

ということで多飲症に五苓散というアイデアを知人からもらった。悪くないかもしれない。五苓散は頭痛だとか硬膜下水腫に使用する漢方薬。
水毒証
 水毒証を引き起こす原因の第一は、水分の取りすぎです。外来に来られる患者さんのなかには、「水をのむことが健康」とか「水を飲んで血液をさらさらに」というようなキャッチフレーズを妄信して、一日何リットルも水やお茶をのみ、体が水浸しになっているケースをよく見かけます。
 体に取りこまれた水分は、最終的に呼吸・汗・尿・便として体外に排泄されます。普段から積極的に体を動かし呼吸や汗として水分を発散する量の多い人はそれだけ水分のを多く取らなければなりませんが、多くの現代人は運動不足のことが多く、このような人がむやみやたらに水分を取れば、余分な水分が体内にたまってくるのは当然のことです。これが「水毒」であり、むくみや冷えの大きな原因になるのです。
 水毒証に陥らないためには、「温かいものを少しづつ飲む」という原則を守り、普段から運動などで体を動かす習慣をつけることです。お仕事で忙しく運動する暇がない!という方でも、駅やビルの中で、なるべくエレベーターやエスカレーターに乗らずに階段を歩く、電車やバスに乗ったときに一駅分歩いてみる、など、運動の機会はどこにでもあるはずです。食事も温かいものやスパイスの効いたものをとることで、少しでも汗から排出される水分量を増やしましょう。
 水毒証に対する漢方薬の代表は『五苓散』ですが、冷えの強い水毒証に対しては、真武湯が有効です。真武湯は、冷たい物の取りすぎで急な下痢になった時の特効薬で、水毒と冷えによるめまいにも用いられます。http://www.nishimotoclinic.jp/about/index10.html 
水毒とか水中毒にまさにな感じもする。証はさほどこだわらず、食間の内服とのこと。

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