ラベル 精神科 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 精神科 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年7月21日金曜日

統合失調症に対する多剤併用療法は一部効果がある、うつに対するケタミンの効果、うつ病の温熱療法、精神科診療における週末効果

統合失調症の単剤治療に対する追加薬戦術の効果
Efficacy of 42 Pharmacologic Cotreatment Strategies Added to Antipsychotic Monotherapy in Schizophrenia
http://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/article-abstract/2627699
JAMA Psychiatry. 2017;74(7):675-684.
統合失調症のみならず、精神疾患に対する多剤併用療法には批判が多い。もう医者になって10数年経つが、僕が研修医のころには単剤療法はすでに疑問なく正しいものとされ、単剤で治療できることが優秀な精神科医の証明のように語られるばかりだった。
多剤併用療法は効果がないばかりか副作用ばかり増え、良いことは1つもない。非常に難治・重症例は仕方ないが、そうでない患者で多剤併用・大量両方になっていく医者は頭が悪い。という感覚が共有されていたように思う。現在でもその感覚は続いているが、少し薄れたような気もする。そもそもクロザピンを含むMARTAが多数のレセプターをターゲットにしているのが売りなのに、それが良くて多剤併用がダメなのはよく理屈がわからなかった。
ということで統合失調症に対する単剤療法に加えた付加療法をメタアナライシスした研究。抗精神病薬に抗精神病薬を加えるのではなく、抗精神病薬に他の薬剤を加えることでの効果をみている。結果としては42種類の付加療法のうち、14はコントロールをアウトパフォームしていた。(効果があった)
また、クロザピンに対して追加療法したもので効果が認められたものはなかった。
内容を見てみると多くが抗うつ薬であり、SNRIが一番にきている。総じて陽性症状に対する効果はエフェクトサイズが小さく、陰性症状に対する効果が大きいようだ。。。
抗精神病薬は統合失調症の治療薬としては当然大きな効果があるが、短期の入院では容易に寛解しない症例もあり、そう言った症例に対しての追加療法についての情報が求められていると思うが、今回の論文はそれに答えるものではなかった。慢性期に活動性が低い症例があるとSNRI等の追加を考えるのも良いかもしれない。
NMDA受容体の研究をやった身としてはD-serinやD-cycloserinなどが全く出てこないのは寂しい限りである。


ケタミンはうつ病に対する電気けいれん療法の麻酔としては、抗うつ効果の追加効果はない
Adjunctive ketamine in electroconvulsive therapy: updated systematic review and meta-analysis
Ketamine as the anaesthetic for electroconvulsive therapy: the KANECT randomised controlled trial
ケタミンはNMDA受容体拮抗薬であり、日本では麻薬に指定されている。かつてヨーロッパなどで流行した麻薬のフェンサイクリジンに似た作用をもつが、解離性の麻酔薬として使われる。小児には悪夢や幻覚といった副作用や依存性を発揮しにくいということで小児領域の麻酔で頻用される。
僕が研修医の時代からケタミンはうつに対して治療的に働くということが言われている。効果も抗うつ薬のように効き始めるまで数週間かかるということはなく、「急速に」効果があらわれるという。なので、ただ単に「ラリってる」だけで抗うつなのではないのではという説もあるが、一応薬物が切れたあとも一定期間抗うつ効果があるらしい。
アメリカでは「Ketamine infusion therapy」としてケタミンの注射を受けられる施設がある。
ケタミンはうつの治療薬としては、研究するにはそれほど難しいことがあるわけではなく、その後も確固たる抗うつ効果のエビデンスが出ないのは不思議に思っていたが、、、https://rollingpsychi.blogspot.com/2017/05/fdafaers.htmlでは、マスデータからのケタミンの抗うつ効果が示された論文を紹介した。
しかし、今回の上記2報は、ケタミンの抗うつ効果を一部否定するものである。
ケタミンは発作閾値に影響を与えないため、電気けいれん療法の麻酔薬として時折使用される。電気けいれん療法は難治性のうつ病への効果的な治療法である。
かつては、ケタミンは抗うつ効果もあるので、一般の麻酔ではけいれんを誘発しにくい患者さんには、すこし面倒でもケタミンで麻酔して電気けいれん療法をしたほうが良いのではないだろうかということで挑戦したりしていた。
しかし、上記2報では、電気けいれん療法におけるケタミン使用の追加的な抗うつ効果が否定されている。ということとはケタミン単体でもやっぱり抗うつ効果は無いのではないだろうか、、、と疑いたくなる。
最近は大麻を医療使用しようという動きが多く見られるが、やっぱり慎重になったほうが良いんじゃないかな?こういうのをみると、、、やっぱり厳密なデータを揃えるのがむずかしいし、一貫した結果が出ていないからね。。。


うつ病に対する全身温熱療法
Whole-Body Hyperthermia for the Treatment of Major Depressive Disorder
A Randomized Clinical Trial
http://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/article-abstract/2521478
うつ病に対する温熱療法については、これまでほとんど試みられていない。pubmedで「hyperthermia depression」で検索するとこの論文を含めて3本しか論文がひっかからなかったが、その3本全てにこの論文のlast authorであるCharles L. Raisonさんが関わっている。温熱療法、、、? 温泉に入ればよいのだろうか、、、
この研究では、体を温めるために「Heckel HT3000 WBH system」という機械を使う。どうも赤外線で暖める装置で中に入って使用するようだ。イメージとしては日サロの機械に近いのではないだろうか。論文本文にはsupplementに写真があると書いてあったがめんどくさくて見てはいない。sham(対象)としてオレンジの光を浴びせる群を作って比較する。一回だけ使用して、その後うつ病の治療をせずに6週間フォローアップする。方法としては、赤外線で温めて深部体温を38.5度にして、それが終わったらスイッチを切って60分のクールダウンになる。38.5度にするのに、だいたい19分くらい平均でかかって、明らかな副作用にShamと差はなかった。とのこと。
温熱療法の効果はテキメンでshamと比べてHAMDで4点くらい差がついており、しかも効果は使用すぐに発現しておりその後も6週間持続していた。。。
本当かよ?という結果。うつ病になったら温泉に入ればよいのだろうか、、、それも1回だけ、、、??? 掲載されているのは天下のJAMApsychiatryだぜ。
深部体温が38.5度というのはそれほど達成が難しいとは思えず、通常の41度程度の温泉やサウナで十分な時間温浴すれば達成できそうな気がしてしまう。しかも1回だけでいい。そもそも風邪とかで熱出したらどうなんだ、それもうつ病に効果あるのかとか疑問もでる。
うつ病になったらゆっくりお風呂に浸かろう。きっと30分位つかったら深部体温も38.5度くらいになるよ、、、
これからの研究としては風呂に浸かる人とシャワーだけの人でうつ病の有病率を比べてみたら良いのだろうか、、、


精神科医療における週末効果
http://bjp.rcpsych.org/content/209/4/334
Mental health services, suicide and 7-day working
医療において週末効果というのが時折指摘される。週末に入院した患者の死亡率が高いというものであり、これまでの研究では有意差をもって指摘されている。
これは、どのような急性期病院でも週末になると人手が少なくなっており、検査等も動いていないものがあるということで説明されており、急性期でない病院ではさらにその傾向が大きくなると考えられる。病院は他の業種よりも夜間・週末にもWeekDayと変わらない業務を行おうと努力はしているが、完全に24時間365日完全な業務を行うのは不可能でありやむを得ないところがある。
今回の論文では、その週末効果は精神科領域ではほとんど検討されていないということに注目して、精神科領域での週末効果をみた論文である。
方法としては精神科領域の治療アウトカムとして自殺を使用している。入院、退院後、自殺企図、自殺既遂などいくつかの群で検討しているが、驚くことに、結果は週末のほうがどの群でも自殺行動が「少なかった」。
「少なかった」。。。他の医療分野と異なり、精神科では自殺をアウトカムとしてみた場合週末のほうがWeekDayよりアウトカムが良いということか、、、つまり医療の手が薄いほうがアウトカムが良い、、、
自殺既遂についてはincidence rate ratio (IRR) 0.52と週末のほうが半分近く少なかった。。。全体でも12-15%程度自殺行動が低いという結果で、週末の自殺関連行動は出現率がかなり低いという結果である。
うーむ。。。僕らがやっているのは無駄なのだろうか、、、どう解釈して良いのかわからない。。。週末のほうが家族などのサポートが多いとかそういう考察で良いのだろうか。

2017年5月25日木曜日

孤独感と脳内のアミロイド沈着、リチウム内服とがんリスク、FDAの有害事象報告システム(FAERS)の解析でケタミンのうつ病への効果が示唆された、インターフェロン治療で発生する抑うつのリスク因子

Association of Higher Cortical Amyloid Burden With Loneliness in Cognitively Normal Older Adults
http://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/article-abstract/2575729
ハーバードでの研究。
認知機能が正常な高齢者にアミロイド蛋白の沈着を同定できるアミロイドPETであるPiB-PETを施行。皮質のアミロイドの沈着度合いと「孤独さ(孤独感)」との関係を、年齢、性別、アポリポプロテインEε4、社会経済的状態、うつ、不安および社会的ネットワーク調整した上で調べた。孤独感は3-item UCLA Loneliness Scale にて計量された。
結果はアミロイドの沈着度合いが高いほど孤独感が高いという結果であった。
結論では孤独さ(孤独感)は前アルツハイマー病状態においてアミロイド沈着の症状である可能性があると著者たちは考えている。
感想としては逆に孤独感が脳に悪影響を及ぼしてアミロイド沈着を高めている可能性はないのかと思うが、これは本文では議論されているのであろうか。


Use of lithium and cancer risk in patients with bipolar disorder: population-based cohort study
http://bjp.rcpsych.org/content/209/5/393
リチウムは双極性障害の治療に用いられ、「気分安定薬」と呼ばれる。ナシア・ガミーはリチウムの使用に習熟していないと気分障害治療医として失格だというようなことを述べており、他に双極性障害の治療に使用が可能な薬剤が出てきて入るとはいえ、現在もリチウムは双極性障害治療の主役である。
リチウムはGSK-3と呼ばれる細胞内シグナル伝達物質の活性を抑制する。このシグナル伝達物質はリン酸化されることでシグナル伝達が活性化するが、脳内と他の身体内では異なった情報の伝達をしている可能性がある。というか、細胞内のシグナル伝達物質なので、その細胞がどのような役割をしているのかにかかわらず、その細胞内では情報伝達をする物質として働く。このGSK-3は一部の癌において活性化しているといわれており、癌化のメカニズムの一部に関与している可能性がある。また、リチウムはこのGSK-3の活性を抑制することがわかっている。
この研究ではリチウム内服患者の癌化リスクを保険のデータベースから調べたもので、結果としてリチウム内服患者の癌化のハザード比は0.735と有意に低く、さらに内服量の多い患者ほど癌化リスクが低かった。
リチウムは明らかに双極性障害に効果のある薬剤で、普段から積極的に使用をしている薬剤ではある。ただ、時折意識障害や腎障害、尿崩症などの副作用にびっくりさせられることもある注意が必要な薬剤という側面もある。しかし、主の作用の気分安定作用のみではなく副産物として癌化リスクが低くなるのであれば、さらに処方理由は高まるわけであり、今後も注意しながら必要のある患者さんには積極的に勧めていきたいと思った。


FDAデータベースの解析でケタミン・ミノサイクリン・ジクロフェナク・ボトックス使用者のうつ病報告が少ないことが判明
FDAの有害事象報告システム(FAERS)の全データ800万件解析により、麻酔鎮痛剤ケタミンの使用者には「うつ病」の報告割合が有意に少ないことが判明した(Independent、Scientific Reports)。
また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)のジクロフェナク、抗生物質ミノサイクリン、抗シワ剤ボトックス(ボツリヌストキシン)といった薬剤でもケタミン同様にうつ病報告が少なく、抗うつ作用が示唆された。ミノサイクリンについては「精神症状」「妄想」「せん妄」の報告も少ないことも示されたという。
なお、ボトックスの抗うつ作用メカニズムは不明である。これらは因果関係を証明するものではないが、相関関係は有効性を示唆している。


Population scale data reveals the antidepressant effects of ketamine and other therapeutics approved for non-psychiatric indications
 FDAの有害事象報告システム 「FDA Adverse Event Reporting System(FAERS)」で報告された結果を解析。ketamineを使用している患者たちは、他の疼痛治療薬を使用している患者たちより抑うつや痛みの出現が少なかったという。どれくらい少なかったかというと、対数オッズ比で-0.67と-0.41。対数オッズ比について調べてみたが、この数字がどれくらい大きな値なのかわからない、、、有意ではあるようだが。
ケタミンは解離性麻酔薬として用いられるが、依存性や悪夢といった問題があり、使用が簡単な薬剤ではない。日本では近年、麻薬に指定された。
僕はケタミンの麻酔外使用や大麻の医療使用については慎重な立場である。もちろんベネフィットが完全に証明されれば使用を認めていくべきではあると考えるが、まだ時期尚早と考えている。今回の結果も面白い方向性からの情報ではあるが、もっと直接的・科学的解明が進んでからの使用を考えるべきだと思う。


Risk factors and clinical characteristics of the depressive state induced by pegylated interferon therapy in patients with hepatitis C virus infection: A prospective study
インターフェロン治療はC型肝炎の治療に用いられるが、頻度の高い副作用として抑うつがある。頻度が高いのみではなく重症度の高い患者も多いようで、インターフェロン治療をする患者は、治療前に抑うつ傾向がないか精神科医の診察をうけるのが一般的となっている。大学病院に勤めていたころはよくコンサルトを受けて何人もの患者さんに治療前評価を行っていたが、その後抑うつが発症したことはなく、どれくらいの頻度で抑うつが生じるか、どのような抑うつなのかわからないままだった。
今回の論文はインターフェロン治療を受ける患者さんを前向きにフォローしその後の抑うつの出現とそのリスク因子を評価している。69人のインターフェロン治療患者のうち18人(24.3%)が抑うつを発症した。
評価としては「Neuroticism–Extraversion–Openness Five-Factor Inventory」 「the List of Threatening Events Questionnaire」「Beck Depression Inventory (BDI)」を用いて、インターフェロン治療前、2-4週後、さらにその4週後ごとに行っている。
抑うつ発症のピークは治療開始2-8週後と20週以降の2つのピークがあった。リスク因子としては基底のBDIの点数の高さと「neuroticism」だったというが、どちらもORは1.5以下で高くはない。抑うつをきたした人たちでは通常の抑うつのパターンと比べて‘somatic symptoms'が高得点だったという。
24.3%が抑うつ発症というのはおもったより高い頻度だった。今後同様の仕事をする事があればもっと丁寧に患者さんをフォローすべきかもしれない。

2017年2月15日水曜日

オメガ3脂肪酸、SSRIと暴力、中絶とメンタルヘルス、いびきと血圧

Omega-3 Prevents Conversion to Psychosis
オメガ3脂肪酸は精神病の発症を予防する
12週間のオメガ3脂肪酸の投与は12ヶ月後の精神病へのconversionを予防するという統合失調症ハイリスク群へのrandomized placebo-controlled studyがあったが、さらにその後のフォローアップを行なったというstudy。平均6.7年のフォローアップで、オメガ3脂肪酸投与群で10%が精神病を発症したのに比べてplacebo群は40%が精神病を発症していた。
ハイリスク群の研究とはいえ、思ったより大きいエフェクトサイズがある。オメガ3脂肪酸ってDHAとかなので、やっぱり魚を食べた方が良いのだろうか。この研究での投与量は一日1.2gとのことであるが、代表的なサプリを調べたところ概ね一日量は400mgに設定されているようだ。結構多い量が投与されている。
これを見て、子供にはなるべくDHA飲ませようと思った。1.2gは多いけど、、、

Selective Serotonin Reuptake Inhibitors and Violent Crime: A Cohort Study
SSRIと暴力的な犯罪との関係を調べた研究。
10年くらい前にSSRIを投与すると若年者で自殺リスクが高まるなどという議論があって、SSRI(特にパキシル)を未成年者には投与しないようにしようという機運が高まった。最近は前ほど切迫感を持ってそういう話を受けることはなくなったけれども、未成年の抑うつにSSRIを処方する医者は現在ほとんどいなくなっていると思われる。そういう古い話を蒸し返すような論文。
15-24,25-34,35-44,44-olderの年齢群では15-24歳の群でのみSSRI投与と暴力的な犯罪傾向に相関が見られたという結果である。
前述の自殺にも繋がるような衝動性の亢進が若年者ではSSRIによって引き起こされるのだろうか。

Women’s Mental Health and Well-being 5 Years After Receiving or Being Denied an Abortion
中絶を「否定された」女性のメンタルヘルス
中絶を行う施設を訪れた女性へのアンケート調査。8日後に聞いたところ中絶できなかった女性の方が、中絶できた女性よりも自己評価、不安の値が高かった。でも、どうも5年後には変わりはなかったという結果?よくわからん。

The Relationship between Snoring Sound Intensity and Morning Blood Pressure in Workers http://dx.doi.org/10.5664/jcsm.6340
いびきの音がでかいと朝の血圧が高い。
いびきがでかい→OSASが重症→血圧が高いということなのだろうか?

2017年2月1日水曜日

双極Ⅱ型障害の治療での躁転リスク、睡眠薬と自殺リスク、自閉症児の両親のレストレスレッグ

アブストラクトしか読んでないです

Switch Rates During Acute Treatment for Bipolar II Depression With Lithium, Sertraline, or the Two Combined: A Randomized Double-Blind Comparison
http://ajp.psychiatryonline.org/doi/abs/10.1176/appi.ajp.2016.15040558?af=R
双極2型障害のうつ状態の患者さんに、リーマス、ジェイゾロフト、あるいはその両方を処方してみたという論文。双極性障害の人に抗うつ薬は禁忌に近く、出すと躁転するかrapid cycleになるという可能性が高くて医原性に難しい患者さんをつくってしまう。なのでリーマスを中心にしなければならないとよく言われる。
しかし、この論文では抗うつ薬、リーマス、あるいはそれらのコンビネーション治療でどれも躁転率に変わりがなかったという、感覚や常識に反する結果が出ている。rapid cycleについては検討されていないようなので、やはりrapid cycle化することは考えておかねばならいのではないだろうか。意外な結果だけど、やっぱり先ずはリーマスで治療をしていくことを今後も考えると思う


Hypnotic Medications and Suicide: Risk, Mechanisms, Mitigation, and the FDA
http://ajp.psychiatryonline.org/doi/abs/10.1176/appi.ajp.2016.16030336
ベンゾジアゼピンをはじめとした睡眠薬が自殺リスクをあげるというレビュー論文。以前から不眠は自殺リスクをあげるというのはよく言われていたが。
インクルードされた論文の中では適切に基礎の精神疾患の影響を除外して評価できた論文はなかったということが書いてある。睡眠薬が不眠を改善することによって不眠が原因の自殺リスクを結局下げるのか、睡眠薬の効果で結局総合の自殺リスクが上がるのかはよくわからんようだ。
この論文は本文を読まないと自分の処方行動を変化させるべきかどうかはよくわからないな、、、
ベンゾがパラソムニアを増やして、自殺関連行動を押し上げているのではという記載もある。そうするとそれはただの見かけの自殺関連リスクな訳で、あんまり気にしなくても良いような、、、

Symptoms of Restless Legs Syndrome in Biological Caregivers of Children with Autism Spectrum Disorders
http://www.aasmnet.org/jcsm/ViewAbstract.aspx?pid=30904
まず、「Biological Caregiver」という表現にびっくりした。ggrksしてもほとんどこの論文しか出てこない。これは「両親」ってことだよね??
自閉症スペクトラムの子供を持つ両親がレストレスレッグ症候群を持っていることが多いという論文。さらにレストレスレッグ症候群があると、よりメンタルが病んでいて、夜寝られていないとのこと。ま、当たり前。
abstract内ではどうも遺伝的なものじゃないか、なので自閉症スペクトラムの子達も逆にレストレスレッグ症候群を持っているのではないか、というようなことが書いてある。


なかなか自分の治療行動を直接的に変えてしまう論文はそう多くない

2016年2月12日金曜日

レム睡眠行動異常って全部αシヌクレイノパチーなの?

レム睡眠行動障害はαシヌクレイノパチーとは限らない
レム睡眠行動異常(RBD)について、
「RBDはαシヌクレイノパチーに特異的なものではなく,特定の部位の病変により,レム睡眠における生理機能に変化が生じて生じる症候である」
 いや、そりゃそうだけど、、、このタイトルを読むとRBDを見たらαシヌクレイノパチーとほとんど決めつけていいと考えているように読めてしまう。
RBDって70%くらいがαシヌクレイノパチーじゃなかったっけ??このタイトルの書き方だと、マシャド・ジョセフ病(Machado-Joseph disease;MJD)みたいなすごくレアな疾患が否定できればあとは全部αシヌクレイノパチーと考えても良いってこと???と思ったら小脳性運動失調を伴うRBDでの話だった。タイトル悪いやろ、、、と思ったら結論はRBDが全部αシヌクレイノパチーじゃないってことを認識しなくては、、、とのこと。うーむ。結構純粋なRBDみるけどね。何年も経過を追うとαシヌクレイノパチーが明らかになってくるのかもしれないけど。

RBD患者のビデオ。
https://youtu.be/rFXYRQ9xPUA
激しい全身の動きが就寝中に見られている。このビデオでは脳波の提示はないが、この激しい動作がレム睡眠期に一致して出現するのがRBDで、おそらくこの患者さんはレム睡眠期で寝ていて、覚醒していないってことだと思う。

2016年2月5日金曜日

精神医学雑誌の薬物中毒の死亡リスクの論文

過量服薬による致死性の高い精神科治療薬の同定―東京都監察医務院事例と処方データを用いた症例対照研究―

東京都監察医務院における医薬品中毒による死亡症例と調剤薬局における処方症例を比較した症例対照研究
pentobarbital calcium,chlorpromazine-promethazine-phenobarbital,levomepromazineとflunitrazepamの4剤で中毒による死亡リスクが高いという結果。
高い順に
pentobarbital calcium:ラボナ
chlorpromazine-promethazine-phenobarbital:ベゲタミン
levomepromazine:ヒルナミン、レボトミン
flunitrazepam:ロヒプノールやサイレース
とのこと

ラボナはさすがにもう僕は処方することはないだろう。いまさら処方する医者がいるのがびっくりという古い薬だ。他の薬でいくらでも睡眠の調整はできるし。こんなバルビツール酸系が危ないというのはもう常識で繰り返しいうことではない。
ベゲタミンは危ないのはわかってても、他の薬で睡眠がとれない、衝動性の高い症例にはときどき出してしまうこともあるかもしれない。ベゲタミンはやめるのも大変。ベゲタミンを飲んでいる人は、いつもまずコントミンとフェノバールとピレチアに分解して処方して、それぞれを少しずつ減らそうとするんだけど、患者さんはすぐに根をあげて「元に戻してください」ってなってしまう。
ヒルナミン、ロヒプノールは今でも精神科一般で頻用されていると思う。無理に処方を中止する必要はないだろうが、過量服薬リスクの高い患者さんには避けたほうが良いだろう。コントミンよりヒルナミンのほうが危険というのは意外だった。

こういう話題になるとどうしても「危ないからこういう薬の処方は絶対ダメ」という極端な意見を出す人が出るが、それもなかなか難しい所。
他の薬じゃダメで寝られず、寝られないと衝動性が高まって危険な行動をとる症例というのは一定数いるわけで、過量服薬されてしまうと危ないのは知っていながらも、そういった行動を抑えるために止むを得ず処方せざるをえないことはある。
ラボナ:絶対ダメ
ベゲタミン:よっぽどじゃないと出さない
ヒルナミン、ロヒプノール:気をつけて使う
くらいが最適解かなぁ

しかし、この手の話になると松本俊彦先生は必ず一枚噛んでくるね。

追記
その後ベゲタミンは販売中止となった。(2016年いっぱいで)
https://www.shionogi.co.jp/med/download.php?h=62fda1e0b2918498edb453f29f879db0
安い薬でもあり、製薬会社的にも儲けも少なかったと思われる。長期に内服している人にベゲタミンをやめさせるのは一苦労だったが、今現在も長期に内服している人たちは販売中止になったらどうなるのだろうか、、、

2016年2月1日月曜日

統合失調症のMRI volume study

統合失調症、左脳に特徴=深部の一部大きく-阪大など
統合失調症のMRIのボリューメトリーっていろんなところが縮んでるって言われて、結局どこも縮んでるんじゃないかっていう感じだったんだけど、、、
これも良いjournalに載ってるけど、「大きくなってる」ってのがポイントなのかなぁ、、、それとも皮質じゃなくて基底核で仕事をしたのがポイントなのかなぁ
こういうの見るとなにが良いjournalに乗るのかわからなくなってくる。
手法はもう全然古い手法だし、アイデアも別に新しくない。基底核に注目した人だって今までいなかったとも思えないし、、、

Regional Deficits in Brain Volume in Schizophrenia: A Meta-Analysis of Voxel-Based Morphometry Studies
Orbitofrontal volume deficit in schizophrenia and thought disorder. Motoaki Nakamura,
Neocortical Gray Matter Volume in First-Episode Schizophrenia and First-Episode Affective Psychosis: A Cross-Sectional and Longitudinal MRI Study Motoaki Nakamura

左のsuperior temporal gyrus(上側頭回) と左のmedial temporal lobe(内側側頭葉)が縮んでるのは確かなんだろうけど。

2016年1月28日木曜日

野々村元県議会議員の発達くささ

強いデンパが出ています!、、、発達障害のデンパが、、、!!
野々村竜太郎元兵庫県議会議員48歳って本当に面白いですよね
あの会見

この世の中を! ウグッブーン!! ゴノ、ゴノ世のブッヒィフエエエーーーーンン!! ヒィェーーッフウンン!! ウゥ……ウゥ……。ア゛ーーーーーア゛ッア゛ーー!!!! ゴノ! 世の! 中ガッハッハアン!! ア゛ーー世の中を! ゥ変エダイ! 

の後も裁判のために勾引される等楽しませてくれています。

中学生時代のあだ名が「発作マン」
体育ができず高校一年で留年
趣味献血
急にスイッチが入って怒鳴り出す。周囲はキレるポイントがわからない
急に怒り出す
http://ameblo.jp/nonomuraryutaroblog/この文章の拙劣さ
道路を直角に曲がった小学校時代
机に「冷静に優しく」の貼り紙
などなど、全てのエピソードが発達障害を示唆していると思います

北野高校→関西学院と決して知能が低いとは思えない経歴でありながら、運動がダメで留年していたり、明らかに対人関係に問題を持っていて、対人関係の未成熟さが明らか。
会見等でも明らかに未熟かつ不相応な対応をとるなどあって、その傾向が幼少から認められるという情報がある。会見とかの号泣は「発達障がい者のパニック」と呼んでもいいのかもしれない。その後の記者等への対応も拙劣で場に応じた対応ができていない。
うん。発達障害ですね。たぶん。

対人関係の未熟さだけじゃなくて、障害は善悪の別にもあるんだと思う。要するに善悪の別はついてると思うんだけど、その重み付けというかバランスが悪いからああいうことやっちゃうんだろうな















この有名なお姿に加えて、今回の裁判でも









こうやって、身を乗り出して聞こうとする特徴的な姿が指摘されている。
これとか完全にカクテルパーティー効果の未発達さを表していると思う。もし、本人に聴覚の異常がないのであれば。
健常発達の人なら注意選択の機能が発達するから意識を向けた人の話が普通に聞き取れる。それをカクテルパーティー効果って言うけど、発達障害者はその機能が障害されていて意識を向けてもそれ以外の音に気をとられてしまい、聞きたい人の話を聞き取れなくなってしまう。
野々村元議員はこの障害が強いんじゃないかな。やっぱ発達障害でしょ、うん。

でも、だからといってやったことは許されないからね。そもそも、あんな単純な詐取するって発達障害云々と関係ないし、性質の悪さもうかがえるんだよな。まだ罪は確定しないないとはいえ、、、ちゃんと裁判受けて、有罪ならちゃんと罰を受けてください。


2016年1月17日日曜日

メジコンがアルツの興奮に効く!

びっくり
http://blogs.yahoo.co.jp/dementiaikeda/16855219.html
メジコンの配合剤(デキストロメトルファン臭化水素酸塩+キニジン硫酸塩)がアルツハイマー型認知症患者さんの興奮を抑えるという、、、
メジコンは咳止めだけど、どうやらNMDA受容体遮断薬らしい。
ほんとかよ?と思うけど、JAMAだし。
でも、どれくらいの量飲まなきゃいけないんだろう?

2016年1月12日火曜日

ASKAのブログを読んで

ASKAのブログ(2016.01.09公開分/キャッシュ)
http://togetter.com/li/923645

これはヤバイ。明らかに被害妄想が出現しているし。文の異様な長さや個々のつながりの悪さ、読むのが面倒になる執拗さ、冗長さ、病的としか思えない
以下の部分とかもう覚せい剤精神病の症状としか思えない。被害妄想、監視妄想、追跡妄想、つつぬけ体験などなど

10.盗聴時同じく、女友達が「ネット盗聴」「集団ストーカー」被害に遭っていた。誰に相談しても信じてくれないのだという。私もそうだった。「単なる気のせいだ」と、言ってしまったのだ。「何をやっても聞かれている」「生活のすべてを見られている」と言って聞かなかった。「もう、生きていけない」と言っていた。本気だったのだ。間もなくして彼女は自分の命を絶った。私は友人のサインに気づいてあげることができなかった。ある日、彼女の友人と名乗る女性が、友人を介して私と連絡を取りたいと言ってきたのだ。私は、その女性と数時間電話で話をすることになる。いろんなことが分かった。俄には信じがたいが「集団盗聴盗撮」「ネットストーカー」に巻き込まれていたのだった。ネット検索をしてみたら、事実「集団盗聴」「集団ストーカー」に苦しんでいる人たちが多く存在していた。私は亡き友人を死に追いやった犯人を突き止めようと、パソコンの前に座り続けた。いくつかの手がかりになる情報を得たからだ。単なる自殺で終わる話ではない。これは殺人だ。知人の警察官に事実を伝え相談したが、証拠が出て来ない限りお手上げなのだと言う。
ある日のことだ。情報を元にネットサーフィンをしていたら、気になるページがあった。私が、その日に電話で喋ったことや、行動に酷似したことが、克明に書かれているのだ。毎日、毎日それは続いた。電話の内容などはすぐに書き込まれていく。偶然だとは思えない。
「盗聴・・?」
周りに話しても誰も信じようとはしない。誰かに監視されている。

覚せい剤精神病って統合失調症の陽性症状と同じような症状(幻覚妄想)が出て、陰性症状はあまり出ないと言われている。けど、独特の迂遠さとかへんなしつこさとか出るよね。このaskaの文面も明らかにその特徴が出ている。
覚醒剤精神病って日本独特の概念というのも聞いたことがある。アメリカ等では覚醒剤が蔓延していないから、症例が少ないみたいで、そういう概念が形成されなかったという。覚醒剤の使用をやめてから数年たっても幻覚妄想をきたすことがあり、そういった場合日本では覚醒剤精神病とするけど、アメリカでは覚醒剤が統合失調症を惹起した、とか統合失調症のハイリスク者のトリガーになったとかと考えるらしい。
覚醒剤(アンフェタミン)はとても強力なドーパミンの再取り込み阻害薬なだけではなく、シナプス前終末に入っていって、ドーパミンの放出の促進までするとのこと。コカインは再とり込み阻害のみとのことで、その分でもコカインより覚醒剤のほうが強力らしい。
あと、最近は統合失調症の人でも「ネットに自分のことが書き込まれている」っていう人が増えた。時代の変化だよね。昔はテレビで放映されてるだったんだけど。

2016年1月7日木曜日

BPSDに対する抗精神病薬処方

http://www.ninchi-shou.com/entry/Dementia-Parricide
向精神薬は処方するなで、本当にいいのか?という問題提起は重い。
でもコウノメソッドのようなアヤシイ方策に頼るのは間違いだけどね。

抗精神病薬投与は高齢者の寿命を短くするというマススタディの結果がでて、それを受けて専門家が使用するようにという推奨が添付文書にも書かれている。それで現場がすごく混乱したことがあった。でも、その添付文書記載を重く取りすぎて全く投与しないというのも間違いだと思うし。認知症高齢者に介護スタッフや家族が噛み付かれたり、殴られたりするのを単に我慢しろというのはおかしい。
STOPP criteriaとかも盲信しないほうがいい。そりゃ薬少ない方がいいに決まってるんだから。みんなそれを知っててやむを得ず出してるんだよ。出さないと問題が頻出するから。それをわかってもらわないと。
基本的に周囲に危険な行為があったら抗精神病薬投与はためらわないという姿勢が正しいと思う。

2016年1月3日日曜日

未成年へのパロキセチン投与

精神科医をしていますが、バイト先で困ったことです。

未成年にパロキセチンを投与すると自殺が増えるという報告が一時話題になった。それを受けて、パロキセチンの添付文書には「警告」という項目で以下の文面が記載されるようになった

海外で実施した7~18歳の大うつ病性障害患者を対象としたプラセボ対照試験において有効性が確認できなかったとの報告、また、自殺に関するリスクが増加するとの報告もあるので、本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1179041F1025_2_32/

また、日本うつ病学会は 「パロキセチン」やSSRIというような特定できる名称を避けて「抗うつ薬」という一般的な名称に対して「SSRI/SNRI を中心とした抗うつ薬適正使用に関する提言 」を2009年に行っている。
現在、わが国で市販されている全ての抗うつ薬の添付文書には以下の記載がなされている。「効能又は効果に関連する使用上の注意」として、「抗うつ剤の投与により、24 歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮する」。また、「重要な基本的注意」として「うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態および病態の変化を注意深く観察する」。したがって、24 歳以下の若年患者に使用するに際しては、注意深い観察をしながら投与すべきである。http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/koutsu/pdf/antidepressant%20.pdf

ということでパキシルの若年者への投与は禁忌じゃないけど、慎重になるべきだと思う。最近はこれも話題になることがなくなったけど、常識の一つだと思う。もし、投与開始直後に自殺して訴えられたら、もしかすると処方した医者が責任を問われることもありうると思う。

で、バイト先の話なのだが、、、
バイト先では外来を担当するのだが、精神科にはめずらしく明確な主治医制をとっていないので、他の医師が初診を取った患者さんの再診をすることがある。割合若い患者さんが多い病院だが、結構な確率で院長は18歳以下の抑うつに対していきなり初診でパロキセチンを、それも30mgとかで出している。。。安易すぎるだろ、、、
そういう患者さんを次の再診でなんの予備知識もなく診察することになって、本当にドキドキする。たいてい患者さんは「良くなりました」みたいなことを言ってくれるのであるが、このパロキセチンをdo処方すべきか本当に困る。この後、自殺とかしたら俺が責任を問われるのだろうか、、、などと考えてしまう。いつもカルテに患者さんにはリスクを話して、「主治医とパキシル継続について相談するように伝えた」と記載してやむを得ず処方してしまっているのだが、本当は良くないよな、、、
そういう無駄な不安を感じさせるバイト先はやめるべきだと思うのだが、時給はすごくいいんだよな、、、うーむ

2015年12月30日水曜日

水中毒に五苓散

統合失調症患者さんは時々「水中毒」になる
1日5l以上の水をグビグビ飲んで、血清Na値は120とかになっている
でも、たいていピンピンしていて、いつも蛇口の近くにコップをもってうろついている

一応、上記の状態は心因性多飲(psychogenic polydipsia)とよばれ、ひどい人で急性期の症状をきたすと水中毒と呼ばれる
けいれん、失禁、失禁、意識障害など水分過多による急性の症状をきたすと水中毒である

これが結構難儀で、多飲の治療法は明確なものはなく、水中毒を起こすようになると結局水を飲まないように拘束したり隔離したりしなければならないこともある。けいれんを起こすようになると最終的に死ぬこともあるので。
心因性多飲症の原因は不明である。多量に古いタイプの抗精神病薬を内服している統合失調症の人がなりやすいと言われるが、統合失調症の人は抗精神病薬内服しなくても多飲症になると言われることもあるし、やはり抗精神病薬が原因と言われることもある。
抗精神病薬の中ではジプレキサがマシということになっているが、自分の経験ではジプレキサに変えてもすごく良くなったという経験はなかった。EBM的にはクロザピンが1stチョイスだが、クロザピン投与は大変である。アセタゾラミドが効果があるという論文もあるが。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21242740

ということで多飲症に五苓散というアイデアを知人からもらった。悪くないかもしれない。五苓散は頭痛だとか硬膜下水腫に使用する漢方薬。
水毒証
 水毒証を引き起こす原因の第一は、水分の取りすぎです。外来に来られる患者さんのなかには、「水をのむことが健康」とか「水を飲んで血液をさらさらに」というようなキャッチフレーズを妄信して、一日何リットルも水やお茶をのみ、体が水浸しになっているケースをよく見かけます。
 体に取りこまれた水分は、最終的に呼吸・汗・尿・便として体外に排泄されます。普段から積極的に体を動かし呼吸や汗として水分を発散する量の多い人はそれだけ水分のを多く取らなければなりませんが、多くの現代人は運動不足のことが多く、このような人がむやみやたらに水分を取れば、余分な水分が体内にたまってくるのは当然のことです。これが「水毒」であり、むくみや冷えの大きな原因になるのです。
 水毒証に陥らないためには、「温かいものを少しづつ飲む」という原則を守り、普段から運動などで体を動かす習慣をつけることです。お仕事で忙しく運動する暇がない!という方でも、駅やビルの中で、なるべくエレベーターやエスカレーターに乗らずに階段を歩く、電車やバスに乗ったときに一駅分歩いてみる、など、運動の機会はどこにでもあるはずです。食事も温かいものやスパイスの効いたものをとることで、少しでも汗から排出される水分量を増やしましょう。
 水毒証に対する漢方薬の代表は『五苓散』ですが、冷えの強い水毒証に対しては、真武湯が有効です。真武湯は、冷たい物の取りすぎで急な下痢になった時の特効薬で、水毒と冷えによるめまいにも用いられます。http://www.nishimotoclinic.jp/about/index10.html 
水毒とか水中毒にまさにな感じもする。証はさほどこだわらず、食間の内服とのこと。

2015年12月29日火曜日

ゆうメンタルクリニックのSEOというか宣伝がすごい

すごくえげつない
「出店」の仕方もえげつないけど、宣伝もひどい。都心の駅全てに『「駅名」からいらっしゃった患者様は○人でした』みたいなページを作ってる。やたらと検索にひっかかってうざい。スパムレベル。
ホームページの作りや謳い文句もひどいけど。
一時はgoogle mapで「メンタルクリニック」とうつと上野のゆうメンタルしか出てこない状況があった。いくら宣伝にカネをつかっているのだろうか
相当面の皮が厚くないとできないでしょあれ。

何人かゆうメンタルに通院していた患者さんと関わったことあるけど、治療もひどい。
あんまりなレベルで本当に迷惑。患者さんがかわいそう

しかし、あんなに手を広げて、診療の質が極低で、今後つぶれないのだろうか。
かつての東京メンタルを髣髴とさせるクリニック

m3とかの求人をみてもあきらかにゆうメンタルクリニックからの求人と思われる求人が大量にある。あの質の低い医療だと医者は働きたがらないよね。しかも時給も平均よりちょっと安いくらいだった。
今後も拡大方針でいくんですかね、、、

2015年12月26日土曜日

Lithiumの腎性尿崩症

炭酸リチウム (Li,商品名リーマス) は気分安定薬として主に躁うつ病に対して用いられるが、副作用として腎性尿崩症がある
http://www.pmda.go.jp/files/000146114.pdf
頻度はおそらく不明。

有名だが忘れがち。
患者さんに多飲、多尿を訴えられていたが、1ヶ月ほどこれに気づかなかった。
状態が安定していて仕事もできているので、採血などしつつ様子を見ているうちに気づいた。他の抗うつ薬も処方されているので、それによる口渇の副作用等によるものかと思っていた。また、睡眠時無呼吸症候群が疑われたり、記憶障害を訴えたりと他の所見もあってそっちに気を取られてしまった。
特におおごとになることもなく気づけてよかった。

副作用の話は頭から抜けがちで、だからこそ教科書等に強調して書かれている。のだが、今回は少し反省すべき。

2016年12月31日追記
Liの口渇多飲は有名だ、やはり見落としやすい。
最近でも一例疑われる症例がありLiを注視したところ改善した。
ただ、Liは替わる薬がなく、今後もどうしても処方しなければならない薬剤である。
このままさらなる副作用が出現せずすぎる良いが、、、


2015年12月23日水曜日

今年も終わり

今年ももうすぐ終了です。
今年はあまり良い年ではありませんでしたが、いろいろと考えさせられる年でした。
来年は大きな変化がまたある年になりそうです。来年は良い年になりますように、、、

今年
schizophrenia researchに論文が載った
帰国
てんかん専門医取得
産業医取得
精神科専門医指導医取得(専門医試験を受けたのはこんなに昔だったのか link1,2)
医学博士号取得

てんかん外来を開設した
3本日本語で記事を書くことが出来た
総合病院精神医学会でファシリテーターという仕事をした
病院内の脳波カンファでPNES(心因性非てんかん性発作)についてレクチャーした

2013年9月2日月曜日

mGluR5 PAMs

よくわからないのだが、、、
metabotropic glutamate receptor  (mGluR)は、イオン通過型受容体であるNMDA/AMPA受容体とは異なる、Gタンパク共役型のグルタミン酸受容体であり、
http://park12.wakwak.com/~pharma1/textbook/Receptors/glutamate-recep.html

多種のサブタイプを持つ。
また、mGluとNMDA受容体という二種のグルタミン酸受容体は下流で相互に作用し合っているようである

サブタイプの中でmGluR5が様々な中枢神経疾患のターゲットとされ、さらにその「positive allosteric modulators (PAMs)」が統合失調症や認知障害の治療薬になるのではと期待されている。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21368721
らしい。
というのは、mGluR5 が、PSD-95, Shankといったscaffolding proteinsでNMDA受容体にcoupledされており、機能的にも相互作用があるからとのことだ。
また、mGluR5の直接agonistは、mGluRのサブタイプ間の選択性が低く、BBBの通過が悪く、mGluRのdesensitizationを起こすので、PAMsの方が良いらしい。

ということで統合失調症におけるNMDA受容体の機能が仕事の中心のわが教室はmGluR PAMsに興味がとてもあるようである。

PAMsは多種開発されており、
3,3'-difluorobenzaldazine (DFB)
N-[5-chloro-2-[(-1,3-dioxoisoindolin-2-yl)methyl]phenyl]-2-hydroxybenzamide (CPPHA)
が初期のものだが、やはりBBB透過性が悪かったようだ。


3-cyano-N-(1,3-diphenyl-1H-pyrazol-5-yl)benzamide (CDPPB)の開発により研究が進み、これを使った研究はNatureを始めとして一流紙に載っている。ちゃんと読めてないが、WTでは効果はなく、knockoutマウスでの異常を正常化するというPAMらしい結果が出ているようだ。また、CDPPBは高容量ではてんかん発作を誘発するようだ。

書いてしまうと簡単なんだけど、、、

2013年5月22日水曜日

精神科医が運転免許証を取得する in Massachusetts

2013年2月ごろMassachusettsで運転免許証を取得した。

精神科医をやっていても緊張はするし、不安になる。

異国で言葉が不自由な中手続きをするのは簡単ではない。

備忘録として留学中に運転免許証を取得した時のことを書いておく。

アメリカはマサチューセッツ州での免許取得の実際の記録。
これは2012年ごろの話なので、現在では状況が変わっているかもしれない。
日本でいう仮免に当たるlearner's permitの取得はマークシート試験だけで取得できるが、DrKazuのサイトにある頻出問題をみて行けば余裕。問題が変わっているんじゃないかと不安に思うひとも多いようだが、2,3回上記を読んで行けば満点とれる。China TownのRMVで受けたが、日本語で普通に受けられた。英文の問題も同時に確認しながら受けれた。
問題自体簡単だし、英文も簡単なので、RMVで試験を受ける申し込みが自分でできるレベルの英語力の人は英文で受けても何の問題もないと思う。
ダイタイ日本語の問題文がめちゃくちゃである。文法はだいたいあっているのだが、PCの問題なのか、文の先頭の文字が消えている問題が数多くあった(eg. 「一時停止時には」→「時停止時には」)
RMVのおばちゃんたちが本当に無愛想かつ不機嫌で辟易するのが一番の難関。ハプニングとしては書類提出の時に、DS2019を確認されたが、向こう預かりの書類として保持されてしまい、後で気づいて取り返さないといけなかった。なくなっていたら大変だった。。。

Road testはbrookline driving schoolで受けたDr Kazuのサイトでは一番勧められている学校ではあるが、このところはあまり評判が良くない印象もある。ここに決めたのは土曜日に複数の同様の学校に連絡しみて、ここが一番早くCall backをくれたからである。他のところは一件だけCall backがあったが、他はメールの問い合わせは無視だし、留守電だった。
アメリカに来て強く負担に思うのは電話での問い合わせが重視されていることである。とにかくメールの問い合わせには返事が来ない、遅い。なので、予約、問い合わせはすべて電話である。。。
このときも電話が来て、なんとかdriving schoolの人だとわかったはいいが、向こうもかなりの訛があり、ほとんど聞き取れず苦労した。passportナンバーを聞かれていると思ってたら、突然happy birthdayの歌を歌われて、誕生日を聞かれていたのか!とびっくりしたりw。向こうはこっちがあまりにも理解しないので歌って理解させようとしたようであるw
そんな流れだったのでちゃんと話が通じているのか不安だったが、2時間の路上練習とRoad testのスポンサーを頼んだ。予約の日取りはこっちの言うことはあまり聞いてもらえず、ほとんど向こうの言いなりで決まったような物だった。
路上練習日には特に連絡もなく、家の前に出てみるとそれらしき車が止まっており、話しかけてみたら教官だった。始めにその車の中で路上練習とRoad testの料金を支払った。日本で運転していたので運転自体はさほど困難には感じなかったが、2時間徹底してRoad testのポイントを教えてもらい、自分としては受けてよかったと思った。Road testで使用する単語も色々教えてもらえてよかった。「pull over」が駐車しろを意味するとかcurbが縁石を意味するとか日本人で知ってるひとほとんどいないと思う。
Road testの2日前には予約の確認の電話があると言われたが、特に電話はなく、とりあえず路上教習の教官にあらかじめ聞いておいた場所(cypress street)に時間通りに行ってみると列ができていてRoad testを受けることができた。予約時間は一応あるにはあるのだが、結局来た順番にテストを受けるので早めに行った方が良いと教官に言われていたが、その通りだった。
テスト直前にそこの受付の人からDr Kazuのサイトにあるような注意を通り一遍受けたが、特に注意されたのが、「縁石にぶつけると即座に失格」ということだった。
ということで試験が始まるのだが、おおむねDr Kazuのサイトにある通りである。試験車にすでにスポンサーであるBrookline driving schoolの人と思われる人が後部座席に座っており、助手席に試験官が座っている。そこに受験者のDriverがかわるがわる運転席に座ってテストを受けて行くという形式である。

この試験官が怖かった、、、延々と不機嫌で命令口調で停車などを指示するという様子でかなり萎縮した。といってもポイントはもう飲み込んでいたし、運転歴も十分あるので特に問題なかったのだが、、、
最後に駐車するときに、とにかく縁石に当てたくないという思いと、それまでの受験生は本当に下手でみんな斜めに車を止めていたということもあってかなり縁石から離して車を止めたところ、試験官がいきなり怒鳴りだして「もっと近くに止めろ!」といわれ、ビビりつつでも縁石に当てたくないという思いで少しだけ近づけたらさらに怒鳴られて本当に怖かった。そのまま「もういい!!done!!done!!」などと言われたのでもはやなにがなにかわからず車を降りようとしたら、スポンサーの自動車学校の人から「先生にありがとうと言いなさい」と言われて、「さんきゅー、さんきゅー」と言いながら降りた。ほんと怖かった。
Learner's permitにされたサインの意味もわからず、困惑していたら、受付の人に受かったんだから嬉しそうにしなよみたいなこと言われて、やっと合格したと知った。。。

思うに、brookline driving schoolの評判が最近落ちているのはこの横暴な試験官のせいだと思う。自動車学校としてRMVかなにかと契約をして試験官を派遣してもらっていて学校としても好きに試験官は選べないところがあるのであろう。
他の人の記録をみると医者でも3回落ちた人もいるようであるが、、、


Massachusetts州で同時期に留学していた精神科医の友人が開業した。
てんかんとかスポーツ関連の精神疾患にトライするらしい。睡眠関係の勉強もよくしてたから良いクリニックになりそうだが。
運転と睡眠障害 及びてんかんの関係はよく指摘される。てんかんの患者さんではかつては運転適性がないとされて運転免許証の取得ができなかったが、今では最低2年間発作がなければ運転免許の取得ができる。てんかんの発作を運転中に起こすと事故につながるということでの措置だが、日本では発作での事故を起こす確率が2年間以上発作がない人では低くなるということでこういう条件になっているようだ。これはアメリカのほとんどの州では半年か1年で日本よりも短くなっている。睡眠障害では、睡眠時無呼吸症候群が有名である。夜間に息が止まってしまい、低酸素になることを繰り返す病気で、日中の眠気が大きな症状である。これも運転中に眠気をきたして事故を起こすことがあるので、重症の人は免許証が取れないことがある。
最近はさらに認知症との運転免許の関係が重要視されている。
2017年に施行された道路交通法では、「認知症」と診断されるとその時点で運転適性がないと判断されて、運転免許の取得が不可能になる。
嬉野が丘 サマリヤ人病院は「認知症疾患医療センター」で、「睡眠外来があってPSGが受けられ」、「てんかん外来がある」という施設で、大学病院以外ではなかなかない質のものだと思う。
運転免許のことで相談があればこの病院は候補になるかもしれない。



2011年1月29日土曜日

たくさん読んだ

虐殺器官 伊藤 計劃
まごうことなき名作
近未来にさらに強調されると思われる、価値<>無価値の平面化。秩序<>混沌の無分別化。そういったポストモダン的なディテールを陳腐でなく描いていく。
話ごとにテーマがきちんと進行していく。
そして、メインテーマのターゲット「ジョン・ポール」。彼が行っている事も、国家の趨勢が政府<>民衆の空気 の二項がないまぜになって進行していることを端的に表現して・・・
白<>黒でない灰色のラスト。
偉大な才能だと思った。


解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理 柴山 雅俊
このセンセイの言う解離がなにを指し示しているのか全くわからなかった。
はじめにDSMについて少し触れているが、どうもDSMがさしているものとは別物のようだ。
かといって、提示された症例を読んでも、このセンセイのいう解離性障害がひとつの塊として感じられない。
結果、症状の精神病理学的記載も統一感がなく理解できなかった。

かなり共感した。
メディアに出るようなセンセイは基本的に臨床的にはかなり異常で偏ったことをやっている、と勝手に思い込んでいたが、とてもセンスがある内容で、首肯できることばかりだった。
ただ、あまり患者をいじくらないタイプの精神科医にとってはあたりまえのことばかりだし、患者からしたら知ってもしようがない内容で、ニーズがあるのかwという疑問がw
100人の精神科医リストは余計だった

科学する麻雀 とつげき東北
まず、非常に確率論がなりたちやすい麻雀という世界でこのような本がいままでなかったことがむしろ驚き。
しかし、捨て牌読みなど、面白い結果が記載されている。結構びっくり。
うち手が全員これを極めると、ゲーム理論みたいに、わざとランダムにうったり、2回に一回変なうちかたしたりするスクリプトのほうが勝率が高くなったりしてw
おそらくはメンツが牌効率を高めるうちスジであることが暗黙の前提になっているはずだから

2010年8月29日日曜日

専門医試験

精神科専門医試験

面接

運営はややグダグダ。微妙に待たされてイラッとしたりした。
受験者はほぼ全員ちゃんとスーツ。
基本的にビジネスライクで冷たい雰囲気に感じた。

筆記はむつかしい。でも、分からない問題は誰もわからない問題だからから、べつに出来なくてもな感じ。差がつく問題ではないと感じた。

面接は面接官三人。
直前に症例を読まされる。自分の場合はアルコール+鬱のおじさんだった
面接官からは、「やっぱり身体的なことをちゃんと評価しよう」という視点で質問を受けた。気がする。「身体疾患の除外が第一!」という基本の基本な感じ。

自分のレポートについては2例について質問を受けた。面接中に自分でもレポートを見てよいと言われるので、プリントアウトしたものを必ずもっていくべき。知識とかじゃなく「レポート内容がうそではなく、ほんとに経験したか確かめる」という視点だった様に思う。
実はレポートのプリントアウトを持って行くのを忘れてしまい、面接中に確認することが出来なかった。すべての質問に空で答えたけど、、、まぁ、なんとかなった。


普段、ちょっと待たされたり、グダグダだったりするとすぐ謝ってもらえる立場になって、数年経って、それに慣れてきた。そんな年代に受験生のころを思い出させられる、そんなイベント

そもそも専門医とってなんになるのか。。。かつて東大生は博士号を「足の裏の米粒」に例えたそうだが。。。「とらないければとらないで気持ち悪いが、とっても食えない」と。。。

禁煙して思ったが、喫煙者はこういうとき不利。待合室で延々待たされるとツライ。

とりあえず合格した。

-- 自分のiPhoneから発送する